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つま漢 第64回「桂枝去桂枝加白朮茯苓湯」

梅雨の真っ只中なのに、日差しは真夏のような日が続きますね。
そんな猛暑にも負けずに集まってくれた生徒さん達。
第64回つま漢も暑さを吹き飛ばすかの如く開催されました。
(部屋の暑さは、エアコンで吹き飛ばしました)

今回の漢方薬は「桂枝去桂枝加白朮茯苓湯」です。
名前だけみてみると、随分長くて難しい漢方薬なのかなって思いますね。

でも、実はそんなことはありません。
どうすればいいのかは「去」と「加」に注目してみるとよくわかります。
「去」は除外する、「加」追加するという意味を持っています。

つまり、この漢方薬は「桂枝湯から、桂枝を抜いて、白朮と茯苓を追加します」と伝えているのです。
そうやって理解してみるととてもわかりやすいですよね。
しかし、桂枝湯なのに、桂枝を外してしまうなんて。。。

「いちごパフェから苺をとってバナナとチョコを追加します」と言われたようなもので、全く別物では?なんてつい思ってしまいたくなります。
でも、漢方薬ではアリなんです。
何故かといえば、「桂枝湯を処方する」という考えがベースになっているというところにあります。
「桂枝湯を処方したいが、桂枝はいらなくて、白朮と茯苓がいるね」ということです。
なるほど、奥が深い。。。
実際のところ、この処方は今でも物議を醸しているとかいないとか。

それでは、実際に桂枝去桂枝加白朮茯苓湯を煎じていきます。
桂枝湯の生薬のうち、桂枝を抜いて白朮と茯苓を必要分量煎じます。
もちろん、今回の生姜も生ショウガを使いました。
皮を削いで、必要分量を切るのは代表の大事なお仕事です。味が決まりますからね。

煎じ終わるのを楽しみに待つ間、今回のメインの生薬となる白朮と茯苓の薬対についての講義です。
白朮と茯苓は利水効果のある生薬の代表です。
澤瀉、猪苓と合わせて利水四天王と言われるとかいないとか。。。

そんな四天王達も利水効果にそれぞれの違いがもちろんあります。
白朮と茯苓は四天王の中でも比較的マイルドなポジションなんです。
でも、この二薬がダッグを組むことで更なる効果が追加されちゃうんですよね。
最強ですね。

因みに白朮は、精油成分が多いのですが、この精油は防カビ効果があると言われ昔から炊いたりして愛用されてきました。
今の時期にはとっても重宝されますね。
ほんのりと甘いような懐かしい香りが、梅雨の煩わしい気持ちを癒してくれます。
(実際に口に含むと苦いんですけどね。。。

生薬のことを学んでいる間に、煎じが終わりました。
お待ちかねの桂枝去桂枝加白朮茯苓湯の試飲タイムです。

生姜のほの辛い香りに、大棗と甘草の甘さが広がり、そこから続いて少し苦味がきました。
桂枝湯のようにただ美味しい!というよりは、効きそう〜な後味があるな、という感じですね。
苦味がクセになりそうなお味でございました。
人によりお代わりしてたり、しなかったり。こういうのは好きゞですよね。

次回の「つまずかない漢方講座」は
7月24日(日) 10時~13時
傷寒論に沿って「白虎加人参湯」を学んでいきましょう。

つまずかない漢方講座は毎月第4日曜に定期開催しております。
「つまずかない漢方講座」FaceBookグループより参加申請をしていただくか、下記リンク先のお問合せにてご連絡おねがい致します。

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